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『見つけたか!』
『いいえ!まだです!』
「はあ……はあ……」
怒声や、バタバタと周りを走り回る足音が聞こえる。
『くそっ!何処に行きやがった!さっさと見つけるんだ!』
『はい!』
リーダーであろう男の号令に全員が素早く返事をする。
そしてその狙いは……私。
今はある地域のごみ収集場所に隠れているが……見つかるのは時間の問題だろう。
『ガガガ…本部よりチームアルファ!対象は発見したか!』
『いいえ!現在捜索中です!どうぞ!』
『ガガ……了解した!捜索チーム全隊員に次ぐ!現在状況はレベル4!よってSPRAマニュアル第3号に従い、対象への発砲を許可する!繰り返す!対象への発砲を許可する!』
「……っ!!」
周りにいる部隊へ上層部から無線で発砲の許可が下りた。
勿論、その中での『対象』というのは私である。
こうしている場合ではない。
一刻も早くここから━━この国から逃げ出さなければいけない。
『能力』だって、いつでも使えるわけではないのだから。
『いたぞ!ごみ収集場所だ!』
「くっ!」
収集場所を囲っているあまり高くない塀を乗り越えて、とにかく走る。
『足だ!足を狙え!動けないようにするんだ!』
私を狙ったアサルトライフルの狙撃音が聞こえる。
子供だからといって容赦は無い。
「(やめて……もう……やめて……)」
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