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「じゃあ開けてみるよ?」
横にスライドさせる形のドアに手をかけ、顔をリオに向けながら問いかける。
リオに異存はないらしく、無言で頷くとドアへと視線を向ける。
よし、それじゃあ……中はどうなっているのかなっ!!
ガラッ!!
「失礼し――」
ノック無しで開けてみると、大きくなった首猫が変二を丸呑みしようとしている光景が繰り広げられていた。
「――ました!!」
ピシャッ!!
扉を開けて閉じるまで0.1秒以下。ちょっと反応が遅かったかもしれないけれど、まぁ別にいいよね。
「よし、帰ろうか♪」
「……ソラ? 今、余には朝に教室へ飛び込んできた一人が食われそうな状況が繰り広げられていたように見えたのだが……?」
「やだなぁリオ、そんなことあるわけじゃないか。
それに加えて首猫の下に変一が下敷きになっている、っていうのは今やってたけどさぁ」
これまた恍惚な表情に見えたよ、うん。そしてその二人以外は部屋の隅でカップを持ちながら逃げてたね。
お茶会の途中だったのかな?
それにあの会長さんの近くにいた女の子二人は一体誰なんだろう、装飾された眼帯をつけた子と本を読みながら涎ダラダラな子がいたけど。
とりあえず、友達には欲しくないかな、特に後半。
ガラッグシャッピチュンッ!!
「ソ、ソラさんにライオリオールさんではないですか!! 見学に来てくれたんですか!?」
吹き飛ばされた扉が吹き飛ばされた所にひょっこり現れた男子生徒にぶつかって色々と出しちゃいけない感じの音が聞こえてきたけど、とりあえずそっちは無視して必死に笑顔を作ろうとしている会長さんに目を向ける。
うん、明らかに顔がひきつっている。多分見られちゃいけない所を見られたと思ってるんだろうね。
でもね? 扉が吹き飛ばされたから貴女の背後の光景は現在も神経回線を通っておれの脳に放映されているんだよ?
すでに片足以外飲まれているみたいだけど、アレ大丈夫なんだよね?
「お取り込み中の所悪いが、足を運ばせてもらったぞ」
凛とした雰囲気を取り戻し、そう会長に語りかけるリオ。
どうやら僕ら以外には出来るだけ弱い部分を見せないようにしているみたいだね。
おれとしては別にカリスマブレイクしててもいいと思うんだけど。可愛い上に面白いから。
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