2632人が本棚に入れています
本棚に追加
/546ページ
「今日はソラさん達お二人だけなんですか?」
綺麗に片付けられた部屋にて、真新しいテーブル上に置かれたカップへ紅茶を淹れる会長さんがおれ達にそう問いかけてくる。
おれとリオは統率会メンバーと思わしき二人の対面位置に座りつつ、立ちながら紅茶を淹れる会長さんに顔を向ける。
とりあえず、立っているのは座っていたら紅茶を淹れにくい高さにカップがあることになるからじゃないか、という予想は口に出さず質問に答えておこう。
「うん、別に皆でここに来る必要は無いかな、と思って。
六人も一斉に来たら多分迷惑だろうからね」
「そうですか……まぁ顔合わせが出来た、ということで満足しておくことにしておきますね。
話すのはまた次の機会でもあるでしょうし、今度から全員で来てもらって構いませんよ?」
本当に嬉しそうに微笑みながらポットを置き、おれとリオの前に紅茶が置かれる。
……顔合わせが出来たのが嬉しかったらしいのは分かるんだけどなぁ……多分、おれの言った意味を理解してないよね、会長さん。
おれの言った迷惑って、そっちの仕事を邪魔するとかじゃなくて、〝色んな面倒〟という意味での迷惑だったんだけど、伝わってないね。
それに、今度から全員で来るような間柄になると思っているのは、若干都合の良い考え方だね。
ま、マスターや学園長と比べるとどうしても甘いと感じるのは経験値の差かな……実際、おれにはこれくらいの相手がちょうどいいか。
「そこらへんは追々とね……ところで会長さん、そっちの子達も統率会のメンバー?」
六人で来るという言葉に対して曖昧に答えながら、おれはあまり見覚えのない彼女達へ視線を向ける。
正直言って二年生でもSクラスとAクラスくらいしか顔を覚えてないから、何年生かもわからないんだよね。
年齢不詳絶賛ロリでありながらおれよりも年上なキオウさんや会長さんがいるから、見た目は当てにならないし。
かと言って裏をかいて見た目若い人を年齢上のように扱ってもし見た目通りに若かったら目も当てられない状況になっちゃう。
あー異世界の女性陣って本当に年齢が分からないなー。
最初のコメントを投稿しよう!