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「何、猫かぶってんの?」
声と同時に、私の頭の上に柔らかい手の感触が落ちた。
ポンポンっと撫でるように触れられて、その温かさに思わず胸が飛び跳ねる。
ゆっくりと顔をあげるとやっぱり思った通りの人が、いつの間にか私の隣に並んでいた。
「……達城先輩」
「不細工な顔が、もっと不細工になるよ」
……さらっと凄い事、言いませんでした?
「……これ以上、不細工にはもうなれませんから」
精一杯、突っぱねて顔を逸らすと彼はもう一度私の頭を優しく撫でた。
「確かに。それぐらいがちょうどいいよ」
「……どういう意味ですか?」
「……」
質問に答える事なく、達城先輩はふっと笑って私の顔を覗き込んだ。
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