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ふと周囲を見渡すと、廊下にたむろう生徒達の好奇心の瞳が私達に向けられている事に気付いた。
正確に言えば私、じゃなくてコタ君と達城先輩。
恥ずかしさのあまりふっと俯くと、足元に伸びる古びた廊下の染みさえもやけに鮮明に映った。
私、どうしてここにいるんだろう。
素直に、いつも通り美那や純ちゃんと昼食を摂れば良かった。
「あー、待ってよ」
俯いたままの背中に掛けられた声。
綺麗な透き通った女の人の声。
だけど当然の如く、それは私に対して放たれた声じゃない。
「馨、光多。私も一緒にランチ行っていい?」
我が校の名高いイケメン軍団。
そのツートップを誇るコタ君と達城先輩の名前を堂々と呼び捨てにする人。
振り向いた瞬間、視線が触れ合う。
柔らかな笑顔と揺れる巻き髪。
そして、大きな……おっぱい。
「あら?妹ちゃんもいたんだ。初めまして、だよね?」
ふふっと優しげな笑顔は完全に上からの優越感だと悟った。
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