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屋上までの道程を、コタ君と達城先輩とそして詩緒先輩の後ろについて歩く。
それは後ろから見ているだけでも異様な光景で。
廊下の中央に花が咲き乱れるが如く、進んでいく彼等。
廊下にたむろう生徒達が無言で道をあける。
校内でも有名なイケメンと美女。
まるで二人の王子様に守られるお姫様みたい。
そして……彼等の後ろを、お供のようについて歩く私。
寧ろ、取り巻き眺める生徒達に、私の姿なんて映ってもいないかも。
一歩足を出す度に、重くのし掛かる劣等感。
すぐ目の前にいるコタ君は、私の事なんて忘れたみたいに詩緒先輩と楽しそうに話し込んでいる。
この足を止めても……きっと気付いてはくれないんだろうな。
そう思ったら本当に泣きたくなった。
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