第1夜:diligent and sincere statue

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カウンターに座って流れるジャズに身を任せて一息ついている。やってくる客がほとんどいないここはまるで自分だけしかいないように感じてしまう… ギッ…ギシッ…… ふと、外から足音が聞こえてきた。いや、足音にしてはかなり重々しいもの…まるで引っ越しの荷物を運んでるような…そんな音 誰か来たのか…と思っていると、軽くトントンと扉を叩く音が店内に響いた 「失礼いたします。まだ空席はございますでしょうか」 はっきりとして透き通るような声は、かなり若々しいもので下手をしたら20歳すらいっているかすら怪しいようなものだった。しかも扉越しに見える姿は小学生並の身長である。 普通の店なら問答無用で追い返したりするだろうが、むしろ声に気付いた聖貨はなんの疑問も持たず客として迎え入れるつもりなようだ 「はいはーい。今行きますよー」 そう言いながら聖貨が急いで扉を開けてその音の主が中に入ってくる
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