312人が本棚に入れています
本棚に追加
「詩織ーっ!」
「あっ、葵ちゃんおはよう」
ふんわりと微笑む詩織に癒されていると、でっかい手がまたあたしの頭の上に置かれた。
「急がねぇと、電車行っちまうぞ」
「あっ、遠野くんおはよう」
「……はよ」
ぶっきらぼうだけど壱哉は優しい。
電車の中でも、然り気無くあたしと詩織を守ってくれる。
壱哉って言う壁があるおかげで、潰される事ももみくちゃにされる事もなく、快適とは言えないが楽に満員電車に乗れる。
「じゃあな」
「バイバイ」
壱哉だけ別のクラス。
あたしと詩織は壱哉に手を振って教室に入ると、自分達の席を探した。
……星野、星野っと……
あたしと詩織の席は、後ろの方で縦に並んでいた。
星野と三森は、出席番号順になると近い事が割りと多い。
「よかった!葵ちゃんの後ろだぁ」
「うん、あたしも嬉しいよ。でも一番後ろが良かったなぁ」
顔を見合わせてフフッと笑う。
さて、高校生活の始まりだ!
入ってきた担任は、壱哉の言っていたバスケ部の先生だ。
まぁ、確かにイケメンかもね。
年上過ぎて対象外だけど。
最初のコメントを投稿しよう!