1、花の高校1年生!

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えぇ、馬鹿親ですとも! 親馬鹿じゃ無いからね? あたしの両親と、壱哉(いちや)の両親はとっても仲が良い。 まぁ、それ自体には大して問題無いんだけど…… 「せっかくの入学式なのになぁ。 なんで俺ら留守番な訳?」 「あたしが知りたいわよ!」 そう、町内会の福引きで見事当てた温泉旅行。 それの期限が切れそうな為、うちの馬鹿親は娘の入学式ほったらかしで旅行に行ってしまった。 そして温泉旅行を当てた訳でもないのに、ダブルデートとか言って遠野夫妻も着いていっちゃったんだよね。 そして、酷いことにこの馬鹿のごはん作りを押し付けられてしまったんだ。 入学式の日にお祝いどころか、自炊しなきゃいけないなんて…… 「なんで、あんたのご飯まで作んなきゃいけないのよ!」 「まぁ、それは葵が料理上手いからだろうな」 「……誉めても何も出ないわよ」 「誉めてねぇよ。事実を言っただけだ」 ………あっそ。 「じゃあ、今日のごはんは人参たっぷりのカレーと、人参サラダで」 「……おい」 「いい加減に人参嫌い克服したら?」 こいつの弱点は熟知してますからね。 心底嫌そうな顔をしている壱哉を尻目に、さっさと帰路を急いだ。
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