1、花の高校1年生!

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回りの子達は楽しげに、親の運転する車で帰るのに、あたしと壱哉はその脇をとぼとぼと駅に向かって歩いている。 これは、かなり寂しい…… 菫ヶ丘学園は、丘ってだけあって帰り道は下り坂だ。 でも……毎日この坂を登るのかと思ったら、今から憂鬱。 坂を下りて、ちょっと歩くと駅がある。 ピカピカのパスケースを取り出して改札を通り抜けると、階段を下りて二番ホームへ。 チラッと後ろを振り返ると、黙ったまま壱哉もついてくる。 ……別に、気になった訳じゃ無いけど。 どーせ作んなきゃいけないんだもん、壱哉のごはんも。 「なぁ葵……本当にカレーなのか?人参の……」 どうやら、丘を降りる間ずーっと人参カレーについて、悩んでいたみたいだね。 「ご要望なら」 「……出来れば別ので」 「分かったわよ。えーっと……オムライスは?」 家にある材料だと、それくらいしか出来ないかな。 わざわざ買い物に行きたい気分じゃないし。 オムライスと聞いて壱哉の顔に、やっと笑みが見えた。 ……別に、壱哉の好物だから作るんじゃ無いけどね。 ただ、今ある材料だとオムライスくらいしか作れないってだけ。
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