312人が本棚に入れています
本棚に追加
先に食べてりゃ良いのにって思うけど、いつもこうやって待っている。
「いただきます」
「いただきます!!」
おぉ、元気だね。
がっつくって感じには見えないけれど、それでも一口の量は異常だし、大きなオムライスはみるみるうちに小さくなっていく。
「食わねぇのか?」
「食べるわよ。あんたがすごい勢いで食べるから、もうお腹いっぱいな気分なだけ」
「おかわり」
聞いてないね?
まぁ、いつもの事だから、おかわりの分も作っといたけど。
これは後でバイト代でも貰わないと、割りに合わないわね。
「はい、もう無いからね」
「ども」
あ~ぁ……花の高校生活が始まるっていうのに、何なの?この色気の無さは。
何が悲しくて入学早々、幼馴染みとごはん食べなきゃなんないのよ。
「……葵」
「なに?」
「お前部活どうすんだ」
「考え中」
なんかなぁ……
あんまり心惹かれる部活がないんだよね。
「そうか」
「壱哉は当然バスケでしょ?イケメンの先輩でもいたらマネージャーしてあげるんだけど」
「いるんじゃね?」
「まぁ、いそうだけど。バスケは菫ヶ丘の花形なんだっけ?」
壱哉は中学の時もバスケ部でキャプテンだったから、当然バスケ部に入るんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!