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「見学してから考える」
「分かった。明日の放課後俺も行くから」
どうせギャラリーが沢山居るんだろうけど、壱哉が一緒に行くと言ってくれて少しホッとした。
勿論、それを顔には出さないけどね。
当の壱哉は、おかわりの麦茶を注ぐために、冷蔵庫を開けている。
「葵も飲むか?」
「いらない」
これじゃあ、幼馴染みって言うより姉弟だ。
あたしの方が少し誕生日が早いから、当然お姉さんでしょ。
食べ終わったお皿を流しに下げると、場所を交代して壱哉が洗う。
あたしがごはんを作ったら、壱哉が洗う。
別に決めている訳じゃないけど、前から何となくそうなっている。
「じゃあ、明日な」
「おやすみ」
当たり前みたいに明日の約束をして、壱哉は隣に帰っていった。
これも昔っからの習慣みたいなもの。
あたしが、壱哉ん家から帰るってケースもあるんだけど。
壱哉が帰ると、家の中は嫌にガランとした。
……馴れてる筈なんだけど……こんな時は早く寝るに限る。
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