1、花の高校1年生!

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「おーい、遅れるぞ」 「もう!何で女の子の部屋に勝手に入るかな! てか、玄関開いてたっけ?」 「開いてた。女の子って自称すんなら、ちゃんと閉めとけよ。危ねぇな」 「正真正銘女の子です!てか出てってよっ!」 部屋のドアを開けている壱哉に怒鳴りながら、慌ててブレザーのボタンを止めると、さっさと歩く壱哉の背中を追った。 これも何となく。 だって、いつの間にか歩幅に大きな差が出来ていて、壱哉の後を着いていく時はいつもこうだ。 「俺、明日からもっと早い時間に出るから、一人で行けるか?」 「なに子ども扱いしてんのよ!行けるに決まってるでしょ?駅からは詩織と一緒だし」 「そうか」 フッと柔らかく笑うと、あたしの頭に手を置いた。 それが何だかこそばゆくて、直ぐに振り払ってしまった…… その後は黙って歩いていたけれど、駅が見える所に来ると同じ制服を着た詩織の姿が見えた。 三森詩織(みつもり しおり)、小学校の時からの親友で、あたしと違って優しくて儚げで守ってあげたい女の子の代表だ。 あたしは、殺しても死ななそう、なんて言われますけどね。 えぇ、そうでしょうとも。
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