彼女の言うこと

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ホテルの部屋に入ってから 「ねぇ、私たちってまだキスしてないよね」 僕は何も答える気がしなかった 「ねぇ。聞いてるの」 そういって僕にキスしようと近づいて来た 「ごめん。無理」 「私とキスしたくない人なんてほとんどいないよ」 「そんなに、さやかのことが好きなの?」 「会ったこともないのに。向こうは雷斗のことなんてすこしも知らないんだよ」 「それなのにどうして」 「ごめん。」 「さっきからごめん、ごめんって」 「私だって、アイドルだよ」 「何が悪いの?」 「私の方が絶対さやかより良いもん」 「だから、ねぇねぇ……」 「うるさい。黙れよ。お前には俺の気持ちなんてわかんないよ。それにお前アイドルだろ。こんなところにいたらファンが悲しむぞ。考えろよ」 「お前と付き合わなきゃ良かった。夢を楽に叶えようとした俺がバカだった。やっぱ、自分で叶えるわ。」 「だから、もう別れよう。ってか、これまだ初デートだけどな」 自分の中でスッキリした 俺は自分で夢を叶える それが答え…… 「何、それ」 「もう、無理だよ。私と別れることなんて」 僕は初めて彼女の裏の顔を知った気がした。
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