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親といっしょにいる年の近い子を見ると、僕は嫌でも両親のことを考えた。何で自分の父親と母親は、僕を置いていなくなってしまったのだろうかと。
けれど、その理由をばあちゃんに聞くことはできなかった。なんとなく、聞いてはいけないような気がしていた。
あれから11年経った。
今さら両親がいなくなった理由なんて知らずに生きていくことができたなら、僕は苦しむことなんてなかったのかもしれない。
ひとつ上の先輩たちが、数年後に廃止が決定したセンター試験に向けてラストスパートをかけているこの時期。僕たちの学年も、昨日、今日と実力テストが行われていた。
「あー、センター、どうせなら来年廃止になってくんねえかな」
テストが終わったあと、廊下の手すりに両腕をかけて、彰人(あきと)はため息を吐いた。
「最近話が出たばっかだし、無理だよ。それに、もともとセンター受けるつもりで勉強していたのに、今変わったら逆に損じゃん」
「悠理は頭イイから関係ないだろ~。くそー、面倒くせえ。早く大学生になりたい」
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