第7話 小橋悠理編①

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 出会った当初は、どうも彰人は僕のことを敵視していたらしい。  勉強もスポーツも、彰人も僕も得意だった。ただ、性格は真逆で、彰人のほうが明るく社交的だった。  今でもそうだ。  男女問わず、誰とでも話をすることができるのが彰人で、おとなしいのが僕。  小学生のころ、人見知りとまではいかないけれど、積極的に他人と交わろうとしなかった。  それが、彰人は最初ムカついていたのだそうだ。  いわゆる、お高くとまっているヤツ。僕はそういうふうに見られていたらしい。  どうもそれは彰人だけでなく、一部の同級生たちから思われていたみたいで。  僕はそういったことに無頓着だったから、彰人に指摘されるまで気付かなかった。ハブられたりとか、そういうこともなかったから余計にわからなかったのだ。  なぜハブられなかったかというと、体育のときに強かったから。サッカーでもドッジボールでも、僕はよく頼りにされた。
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