アンダーワンダーランド

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赦楽さんがやってた夢の話 ネタ置きの為にとりあえずやっておこう ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ あの街の外れ。 何もない裏路地。 ボロボロの布に包まって寒さを凌ぐ子供達。 何も変わらないこの道に居たのは漆黒に塗り染められたかのような髪の色をした子供。 短い髪は此処に住んでる者とは思えないような艶が存在して、 しかしその顔や身体には泥の跡や小さな傷が無数に散らばっている。 依絽は近年亡くした『彼女』のことを忘れたことは無かった。 「結(ユイ)。」 依絽が声を掛けると、小さな少年のような見た目の彼女がゆっくりとふりかえる。 「……依絽」 透き通った声が依絽に届く。 依絽の存在を確認するや否や、ユイはゆらゆらと立ち上がり覚束ない足取りでこちらにやってきた。 「今日は元気そうだね」 ずっとこうやってユイの頭を撫でて居たかった。 「……依絽、依絽……」 ユイはしがみつくように依絽にもたれ掛かる。 「馬鹿、依絽の馬鹿」 「ごめんね」 「依絽がしたこと一生忘れない……」 「……ごめん」 ユイは喋れない。 彼女が喋れなくなったのは13歳の頃。 それまで身体の弱いユイを皆で支え合ってきた仲間も、 ユイが声(せい)を発せなくなってからは皆ユイを見捨ててしまった。 「依絽の馬鹿」 「僕は馬鹿だ」 「私を守る必要なんてなかったでしょう」 あぁ、思い出した。 いきなりあの街で起こった抗争。 そこでユイに銃を向けた兵士が居た。 僕が庇ったのはユイだったんだ。 「私は既に死んでるようなものなんだから」 「違うよ」 もう動けないユイは 泣いていたでしょ? 「大切な人をどんな形であれ守りたかったの」 「……馬鹿ね」 「……僕は、馬鹿だよ」 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 「何、泣いてるの」 目を覚ますと、翅咲が依絽の顔を覗き込んでいた。 「……ツバサ、起きてたの」 「いつもあたしが起きたら居ないくせに今日は居たからね 今朝の10時ね」 「もうそんな時間か…… ツバサ、朝食要る?」 「あんたに台所爆発させたくないからコンビニ行くわ」 「……そっか」 <それにしても僕が泣くとはねぇ…… 涙の出るような夢なんて見てないんだけど>
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