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「あれ、コウタ、部活は?」
「今日は写真部の部長が何か訳アリで部室貸し切るから部活休みになった。」
「何か意味深・・・。訳ありってなんだろ。」
「知らね。ほらよ、お前の鞄軽すぎ。」
コウタから鞄を受け取ると、陸斗とコウタは一緒に学校を後にした。
「今日は、先輩来るのか?」
「うん、部活終わったら来てくれるって。」
「じゃあ、今日はお前ん家寄れないな。」
「別に来てくれても良いけど、家のことでバタバタしてるから、なんにもしてやれないな。」
「俺、何か手伝えることあるか?」
「出来んの?」
「気持ちだけ。」
「社交辞令ありがとよ。」
「なんだよ、折角俺が気を遣ってやってんのに。じゃあさ、お前の欲しいもの、何か買ってやるよ。」
「今から?」
「からだよ。」
帰路の途中、二人はよく立ち寄る老舗の駄菓子屋で水飴とアイスを買った。コウタは陸斗に袋を手渡すと、別の用事があると言って足早に帰って行った。
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