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「寒いときって、アイス食べたくなるでしょ?」
「ありがとう。でも、いくら仲の良い友達だからって、次からはちゃんと断れよ?」
フライパンに火を掛けながら、陸斗は向かい側に立つ悠太を見て首を傾げた。
「何で断るんだよ。次は僕が奢れば良い話じゃん。」
「奢ってもらったからって、お前が奢る必要はねぇよ。」
「・・・そうかな。でも、僕も何かしないと、割に合わないっていうか。」
陸斗は野菜を炒めながら、小さく呟く。それを聞いた悠太は、深く溜め息をつくと、はっきりとした口調でこう言った。
「お前のつくった金は、そういうことをするためのものじゃないだろ。」
この言葉に、陸斗は一瞬自分を否定されたようで心が萎んだが、それが自分の為を思ってのことだとすぐに考えを改め、小さく頷いた。
「・・・じゃあ、やめる。」
そう一言告げると、陸斗は様子を窺うようにちらっと悠太を見た。
「絶対、するなよ。」
悠太はそう言うと、柔らかく微笑んだ。
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