悠太と陸斗

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午前三時。 部屋中に時計のアラームが規則正しいリズムで鳴り響く。 陸斗は目を覚ますと、時計の音を消して寝巻きのボタンを外していった。 服を着替えると、帽子を被り、玄関で靴を履く。 季節は真冬。 玄関のドアを開けると、外は暗く、突き刺すような外気が陸斗の頬にあたる。 毎日、この時間になると、陸斗は牛乳配達のために自転車を漕いで街を走り回る。 本来なら、二時間程で配達は終わるが、最後の一軒は悠太の実家で、陸斗が着く頃には、悠太が日課のランニングを終えて帰ってくる時間と重なる。 そのため、陸斗が帰ろうとしても、必ず悠太が陸斗に気づき、声をかけて引き留めるのだ。 今日も、悠太に見つかった陸斗は、帽子を目深に被ると、悠太に向き合い小さく微笑んだ。
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