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「陸はさぁ、根が優しすぎて、なんか格好良くねェんだろーな。」
彼女たちから解放されて教室に戻った陸斗は、同じクラスの親友である渋谷コウタと話をしていた。
「格好良くないのはわかってるよ。昔から悠太は完璧で、俺は性格だけって言われてたんだから。悠太と比べて勝てるやつなんているわけないのにな。」
陸斗は机に顔を突っ伏すと、大きく溜め息をついた。
「性格だけって誰が言うんだ?」
「今まで会った異性にはほぼ言われてマス。」
コウタは右手で頬杖をすると、教室内をじっくり見渡した。
「そりゃ、悠太先輩はモテるもんなぁ。」
「俺だって、悠太は憧れるもん。悠太みたいになれたらいいなって。」
顔をうつ伏せたままの陸斗を見つめて、コウタはハハッと笑った。
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