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「陸は陸だよ。俺は、陸の性格も好きだけど、容姿にも十分自信持って良いと思うな。」
「ウッソだぁ。」
「嘘じゃねェよ。」
陸斗はおもむろに顔を上げると、上目遣いでコウタを見た。
「・・・そうかな。」
コウタはニコッと笑うと陸斗の頭をポンポンとやさしく叩いた。
「俺から見ても、お前は十分可愛いよ。」
「・・・上げておいて落とすなよ。」
「まっ、少なくとも悠太先輩はお前のこと、そう思ってるよ。」
「出来れば女の子から好かれたいです。」
「同情するよ。」
「うるせぇ。」
昼休憩の終わりを告げるチャイムが鳴る。
先生が教室に入ってくると、コウタは席に戻った。
陸斗は授業が始まると、睡魔に襲われて、教科書を手にしたまま寝入ってしまった。
放課後、職員室に呼ばれた陸斗は、最近授業態度が悪いと担任教師に注意され、罰として明日までの宿題に復習プリントを十枚手渡された。
陸斗が溜め息をつきながら職員室を出ると、コウタが陸斗の鞄を持って待っていた。
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