悠太と陸斗

9/18
前へ
/18ページ
次へ
「陸は陸だよ。俺は、陸の性格も好きだけど、容姿にも十分自信持って良いと思うな。」 「ウッソだぁ。」 「嘘じゃねェよ。」 陸斗はおもむろに顔を上げると、上目遣いでコウタを見た。 「・・・そうかな。」 コウタはニコッと笑うと陸斗の頭をポンポンとやさしく叩いた。 「俺から見ても、お前は十分可愛いよ。」 「・・・上げておいて落とすなよ。」 「まっ、少なくとも悠太先輩はお前のこと、そう思ってるよ。」 「出来れば女の子から好かれたいです。」 「同情するよ。」 「うるせぇ。」 昼休憩の終わりを告げるチャイムが鳴る。 先生が教室に入ってくると、コウタは席に戻った。 陸斗は授業が始まると、睡魔に襲われて、教科書を手にしたまま寝入ってしまった。 放課後、職員室に呼ばれた陸斗は、最近授業態度が悪いと担任教師に注意され、罰として明日までの宿題に復習プリントを十枚手渡された。 陸斗が溜め息をつきながら職員室を出ると、コウタが陸斗の鞄を持って待っていた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加