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────対して音が出る作業でもなさそうなんだけど。
「すみません!」
女性は小窓をガラッと開け、大きな声で呼んだ。
すると管理人と思しき男性はビクリと肩を上げ、振り返った。
「‥‥どちら様で?」
一瞬間を開けて男が口を開いた。
「あの、ここにボディーガードをやっている男性がいると聞いて来たのですが‥‥」
「はあ‥‥」
そう、スーツ姿の女性はここ最近何者かに後をつけられていた。しかし、警察にこの事を告げてもその時に限って尾行がなく、次第に取り合ってくれなくなってしまった。
ランクの高いボディーガードを頼もうにもそんな金はなく(ボディーガードは6段階にランクが分けられており、高いほどかかる費用も上がる)、仕方なく中級クラスのしかも安い人物の元を訪れたのだ。
「えっと、確か名前は‥‥!?」
彼女は鞄から資料を取り出しながら男の方を見て気づいた。
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