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そして手招きするとアパートの奥へと歩き出す。
てっきり管理人室で話を聞いてもらえるのかと思ったが、そうではないらしい。
彼女は彼の後をついて行った。
アパートは円形なのでずっとカーブの廊下が続いていて終わりがなく、そしてやはり薄暗い。
「あの、明かりつけないんですか?」
雰囲気に不快感をいだきつづけてたまらず口を開いた。
「今なんか電気の配線にガタが来ててな、危ないから切ってる。業者呼んだから近々直る予定だ」
「はあ‥‥」
────まあ、確かに古そうだしね
彼女は時々見かける小さな亀裂を見て納得した。
「そういえば管理人やってるんですか?ここの」
ふと疑問に思い聞いてみた。
「まあな」
「え、なんで?」
「‥‥単純に金がうまい具合に入らないから‥‥」
「ああぁ‥‥‥‥」
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