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リュックはふくれあがっていた。
レジデンス茜台の現在入居数は十九世帯である。その分の牛乳パックを背負わされて相当な重量になっているはずであるが、宇宙人にとってはなんでもなかったから気にはならなかった。
それよりも――。
住人に挨拶するたびに、怪訝な表情をされてしまうのが解せなかった。
もちろん、それが豊臣秀吉などという名前のせいだとは気づかないから、首をかしげるばかりである。
1階から順番に訪ねていって(留守の部屋はまたあとで行くとして)、やっと4階にたどり着いた。
階段を上りきったとき、隣の402号室から誰かが出てきた。
フリル付きの白いエプロンを藍色のワンピースの上につけた十代とおぼしき少女だった。
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