またまた先輩がやってきた

2/7
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「おれ、しばらくここに住むことになった」  唐突な宣言であった。  言ったのは、ガニガニ・9・ボーテである。  レジデンス茜台403号室に住む調査員、ルケルケ・7・トーの先輩宇宙人。 「どうしてですか!」  声を荒げて、問いたださずにはいられなかった。なにしろこの五年の間、ここは誰にも邪魔されない楽園のような仕事場だった。上司の目があると、ノルマを突きつけられやしないかと、変なプレッシャーがかかって居心地が悪いことこのうえない。 「おかしいな。ちゃんと辞令が届いているはずだが」  ガニガニ・9・ボーテはひょうひょうと言った。  隣の404号室に住む謎の人物、墨野氏の動向を追跡して3ヶ月後に戻ってきた。そのあとすぐに母星へと帰っていったはずが、また戻ってきた。で、冒頭の言葉である。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!