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ガニガニ・9・ボーテはすっくと立ち上がり、胸を張って言った。
「豊臣秀吉だ」
おーい、もしもし?
問題ないのか?
「じゃあ、ここに住むとなったら、近所にあいさつにいかなくちゃ」
その名前になんの疑問ももたず、ルケルケ・7・トーは言った。それより、辞令が出された以上、いっしょに住まざるを得ないと腹を決めて、ならば、地球の生活については自分のほうがよく知っていることをアピールして、先輩より優位になろうという意識がはたらいた。
「おお、そうだな。調査員として、それは大事だ。ではさっそく――」
「待ってください」
出て行こうとするガニガニ・9・ボーテを引き留める。
「あいさつのときには、なにかを配るんですよ」
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