第3話 二人の宇宙人に安らぎあれ

またまた先輩がやってきた

　ガニガニ・９・ボーテは、その束から一膳引き抜き、

「これを持って行って、なんてあいさつするんだ？」

　これでなんでも好きなもの食べてくれ――じゃなくて。

「４０３号室に住むことになりました――って、やはり、割り箸はまずいですよ。明日、ぼくがスーパーでなにか適当なものを見つけてきます」

「そうか。なら、それはたのんだ」

　危ういところで、割り箸を配って歩く変な人にならずにすんだ。

「それから、先輩はそっちの玄関に近い部屋を使ってください。ベランダに近いほうの部屋はぼくが使っていますので、入らないように」

「ん、そうか、わかった――」

　指示されたその部屋へ行こうとして、ガニガニ・９・ボーテは、

「なんで、おまえの部屋へ入ってはいかんのだ？」

　言葉尻に反応した。