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「それは……」
口ごもってしまった。
「なにか隠してるのか?」
ずい、と顔をよせた。
「そ、そんなことないですよ」
「なぜそっぽを向く? あやしいぞ」
「あ、だめですってば!」
ガニガニ・9・ボーテは、かまわずベランダに近い方の部屋のドアを勢いよく開けた。
そして、見た。
振り返った。
「なんだ、これは?」
「いや、その……」
「こんなもの、地球へ持って来ていいのかよ?」
「だって、置いていくわけにはいかなかったんだから……大丈夫です。逃げ出さないようにしてますから」
必死な表情で懇願する。
ガニガニ・9・ボーテは折れた。
「なにかあっても、責任はおまえがとるんだぞ」
「わかってますよ!」
ルケルケ・7・トーは力強く言い放った。
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