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「リュウテイオー……」
苦々しげに龍司はその名前を口にした。
視線の先にはバスターユニットと合体したバスターリュウテイオーの姿。背にはバスターフレアを搭載したバスターホークが合体している。
そして、リュウテイオーの視線の先にはプラナリアが巨大化したような姿の龍宮の遣いが暴れていた。
「龍王様、我々も参りましょう。龍宮の遣いを一刻も早く倒すのです!」
「ああ、そうだな……」
邪魔者はすぐに片づけないとな。
龍神の巫女には聞こえないように漏らした呟きとともに、龍司は龍神を呼びだした。
龍神招来。その言葉に応えて龍神が蒼空の彼方から現れた。紅に染まった雄々しき姿。地を裂くような咆哮に、世界が震え上がった。
龍神の額から溢れ出した光が龍司と巫女を包むと、二人は龍神の中へと移動した。
「龍人一体っ!」
龍司のその言葉を合図に龍神は姿を変えた。尻尾を持った巨人、リュウジンオーへとその姿を変えた。
背には翼、胸には龍の頭。その頭から猛々しい咆哮が放たれる。
「リュウジンオー! アイツも来たのか!?」
「巫女、龍神剣だ」
「承知しました」
巫女の返事の直後、龍の口から赤い光が飛び出し、剣の柄が現れた。
リュウジンオーはそれを掴んで引き抜いた。
傷一つ、汚れ一つ無い真っ白な刀身。太陽に向かって掲げたそれは、陽光に煌めくと紅蓮の炎をその身に宿した。
翼を羽ばたかせ、リュウジンオーはその巨駆を大空へと舞い上がらせた。
太陽を背に受け、龍神剣の炎がコロナのように燃え上がる。
リュウジンオーの体が敵へと向かって降下を始めた。
「っ!? 龍王様、これでは龍帝も……!!」
「縦……」
龍司が断ち切ろうとするもの。それを理解し、リュウテイオーは声をあげた。
「アイツ、俺ごと敵を斬るつもりか!」
「一文字切りっ!」
龍宮の遣いとリュウテイオーの体が入れ替わる。
そして、龍宮の遣いが真っ二つに焼ききられた。
「お前、俺ごと切ろうとするなんてなんのつもりだ!」
「青葉を……」
龍司の呟きに龍介は眉を潜めた。
「青葉を守るのは俺だー!!」
降り下ろされる刃をリュウテイオーは腕で受け止めた。
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