僕色に染まれ 第1話

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「どれどれ?お?大吉だ……」 『大吉~今日もHAPPY』 と書かれていて、クスッと笑ってしまう。 「ん?」 消しゴムを見ていたら、こちらを見ている真城さんに気付いた。 真城さんは僕を……いや、僕が手に持つ消しゴムを見ていた。 「あ……真城さんの?」 言葉には出さず口をパクパクさせて聞く。 真城さんがさっき声をあげたのは、この消しゴムを落としたからだったのだ。 「うん」 と。やはり言葉には出さず口をパクパクさせる真城さん。 「投げるよ?取れる?」 「OK」 お互い言葉にしない口パクで意思を通じさせる。 「はい」 僕が投げた消しゴムを真城さんは両手でキャッチした。 「ありがとう。おみくじなんだった?」 「……え?」 ニコッと小さい声で僕に聞いてくる…… 「こらぁ!!真城!何後ろ向いてる!!」 「は、はい!スミマセン!消しゴム落としちゃって!」 先生に怒られて前を向いた真城さん…… 「まったく……」 先生が黒板の方を向いたので、また真城さんがコチラを向いた。 「私はこれだ~」 ペロッと舌を出して笑った真城さんの手には『大凶~さっさと帰って寝ておけ~』のおみくじ消しゴムがあったのでした。
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