僕色に染まれ 第1話

5/30
前へ
/30ページ
次へ
「良太が座ってる席のコ…」 「はあ?わかんねーよ!同じクラスじゃないんだからよ!名前は?」 「島澤桃子さん……」 「ああ…メガネの……結構男連中から人気あるよな?真城には敵わないけど……また凄いところに行ったね~。好きだったんだ?」 窓から空を見る僕の横顔を覗きこむ良太…… 「……消しゴム……」 「はあ?」 「消しゴム拾ってくれたんだよ……僕がテスト中に落としたヤツ……」 「それだけ?それが好きになった理由?」 ボッーと空を見ている僕を良太はアングリと口を開けたまま指を差す。 「好き……て、何?」 「はあ?」 何度目かの「はあ?」を言う良太…… 僕を見る呆れ顔は更に呆れていく……スーパー呆れ顔だ。 「わかんないんだよ……誰かを好きになるって……」 「じ、じゃあ今まで祐が告白してきたコはなんだよ?」 「わかんないからしてみた……だけ?」 「わかんないからしてみた……じゃねーよ!お前そんな気持ちで告白したらかえって相手に失礼だろうが!!」 「僕もそう思う」 「ならするなよ!!」 相変わらずマイペースに空を見ている僕と、肩をハアハア言わせ興奮している良太……
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加