僕色に染まれ 第1話

6/30
前へ
/30ページ
次へ
「周りがさ……みんな彼女つくったり、彼氏つくったりしてるだろ?だからさ……」 「祐も彼女欲しくなった…てか?」 「うん……みんな楽しそうだろ?僕も楽しいことしたくて…楽しいことしたら、もっとこう……リア獣になれるかもと言うか……」 「リア充の獣間違えてるぞ?犯すつもりかよ……」 苦笑いでツッコミを入れてくる良太。 僕は構わず話を続ける。 「また言われたよ……島澤さんに「村崎くんのことよく知らない」て……僕、影薄いだろ?存在感が無いって言うかさ……隣の席にいる島澤さんが知らないって言うくらいなんだぜ?」 「ま、まあ……けして目立ってる…とは言えないな?けど、それが祐の良い所じゃないか?」 「新聞部の為にどんな写真でも撮れるからね」 「ギクッ……」 僕の言葉に口笛を吹きながらあさっての方向を見てとぼける良太。 そう……僕は新聞部にいいように使われていた。 なんせ存在感が無いから、尾行、盗撮が得意なのだ。 良太はそんな僕に近付いてきて……新聞部の為に君の力が必要だ……と言ってきた。 「新聞部が欲しいスクープ写真いっぱい撮れるからね……良太が部長になれたのも僕の力があったから……と言っても過言じゃないよね?」 「ハ、ハハハ……」 図星だったようで、良太は苦笑いで誤魔化そうとしている。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加