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「確かに、スクープ写真が欲しくて祐に近付いたのは事実だ!しかし今では祐のこと本当の友達だと思ってる!それは嘘偽りない!」
開き直って今度は胸を張る良太。
正直、そんな良太は嫌いじゃない。むしろ人間らしくて好感がもてる。
だから良太の為にスクープ写真を撮り続けてきたのだから。
「ありがとう……良太だけでも友達がいてくれて嬉しいよ……けど、もう少しクラスに馴染みたいと言うかさ……」
「俺が同じクラスだったらな…」
「うん……だからさ…みんなみたいに恋愛でもして、何か違った世界見れたら、もっとみんなに近付けるかな……て思ってさ」
「だから告白をしてきたのか……気持ちは解るけどな~」
良太はヤレヤレ……と息をつく。
「朱交われば朱になるってか?」
良太の言葉に僕は静かにうなずいた。
「リア充の仲間になればリア充……そう考える気持ちは解らないでもないが、違うぞ祐!」
「え……」
空を見ることを止めて僕は横を向く。隣の席で良太がビッ!と僕の顔に力強く指を差していた。
「色には染まるものじゃない!染めるものだ!特に女はな」
「染める?」
唖然としている僕を、良太は胸の前で偉そうに腕を組みながら話を続ける。
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