2―序,時の間の陰謀

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―ある薄暗い部屋― 「そうか、灼眼鬼の正体がわかったか…」 「はい」 2つの影が向かい合っている。 「それは確かめねばなるまいな。どういった人物かを…」 「はい」 「お前は、奴の昔からの知り合いじゃろう?何でも知っているのではないか?」 「そのつもりでございましたが…。今まで彼が灼眼鬼であることを隠し通されていたのです。腹の奥に何を隠しているのか、全く見当もつきませぬ」 「…これは、わし自ら出向く他ないのう」 「…」 「あやつにも協力させるか…出来れば会いたく無かったのじゃが」 「御意。手筈は整えておきまする」 「うむ、頼んだぞ」 2つの影は、かき消すように居なくなった。 そこには、厳めしい造りの振り子時計が時を刻む音だけが響いていた…。
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