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「痛い痛い痛いっ!!どうせお前が勝手にもぐり込んで来たくせに…理不尽だ……」
「うっさい!!」
朝一番に妹にフルボッコにされながら、確信した。
間違っても、俺はロリコンにはならない。
つーか、こんな危険物を愛でるのが生き甲斐って…悦びを感じるより先に殺されかねない。
やっぱりロリコンなんてヤバい趣味は、俺にはないな。
そして、同時に安心した。
この横暴さ。
これでこそ鈴だ。
…あれ？
…一方的にフルボッコにされながら安心するって、それはそれでヤバい人みたいじゃないか？
―――――――――――――――
冬休みまであと一週間。
俺達の様に地元に住んでいる奴はともかく、遠くから学生寮に越して来た連中は里帰りの支度で忙しいらしい。
「いやあ、二人が手伝ってくれて助かったよ」
「金をくれるって話だったからな」
「おにいちゃんが行くって言わなかったら、絶対に手伝わなかったけどね」
背が高く明るい雰囲気の美少女にして、“歩くゴシップ雑誌”の異名をとる皆川 友華も荷物纏めに苦労している奴の一人だ。
この間の事件では大変世話になった皆川に暫く会えないのは…むしろ嬉しいくらい。
そりゃあ恩はあるが、代わりにあることないことを散々言いふらされた訳だし、そもそも鈴が誘拐されたのだって、半分はコイツのせいだもんな。
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