2―2,灼眼の美少女

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「ただいまー♪」 おにいちゃんと一緒におうち“すきま風が寒荘”に到着。 いい加減な名前のこの集合住宅は、事実すきま風が酷い。 だからこの季節はとにかく寒いはずなのだが… 「あれ?」 「暖かいな」 「暖房つけっぱだったっけ?」 「いや、きちんと消しておいたぞ」 「ということは…」 玄関を注意深く見れば、黒い革靴を発見。 はあ、またか…。 「おっかえりー!りーんちゅわーん♪」 「失せろ不審者ー!!」 「うおっ!?鈴ちゃん、ナイフはマジで洒落にならないからやめ、うわー!?」 「鈴、思いっきり殺っちまって構わないぞ。どうせすぐ復活するんだから」 漆黒の不審者、もといイサゴお兄ちゃんがいた。 きっと、また大家の特権とか言って合鍵使って不法侵入したに決まっているんだ。 なんでこんなのが大家なんてやれているんだろう? ――――――――――――――― 「蓮ちゃん、鈴ちゃん、勝手にお邪魔しているわ」 「ツクモお姉ちゃんまで!?」 真っ黒なボロ雑巾を外に投げ捨てて部屋の奥に入ると、今度は真っ白なお化け…もといツクモお姉ちゃんがいた。 「服装がヘンテコなのを除けば、全然似てない兄妹だと思っていたのに…まさか一緒に不法侵入するなんてな」
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