2―2,灼眼の美少女

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「違うのよ、蓮ちゃん。今回は、二人にお願いがあったから、兄貴に頼んで鍵を開けてもらったのよ。ま、その後も居座れなんて一言も言ってはいないけど」 すべての元凶はあんたか!? 「…まあ良い。で、そのお願いってのは何だい?」 「引き受けてくれるのね!?」 「内容次第だけどな」 ソッポを向いてこんなこと言ってるおにいちゃんだけど、ツクモお姉ちゃんに頼まれたら大概のことはしてしまうからなぁ…。 何だかんだ言って、今まで育て上げて貰った恩があるから逆らえないとかなんとか…。 「そうねえ、ちょっと子守りを頼みたいのだけれど…」 「俺は凶暴な幼女一匹で手一杯だぞ?」 「誰が“凶暴な幼女”よ!?しかも“一匹”って…」 「大丈夫よ、鈴ちゃんと違って全然手が掛からない娘だから」 「ツクモお姉ちゃんまで!?」 なんだなんだ、どうして二人してそんなにりんの悪口ばっかり… 「手が掛からないなら、ツクモ姉が面倒見れば良いだろ?俺は、無駄に手が掛かって、すぐブチギレて、横暴で、血の気が多くて、それでも大切な妹との二人暮らしが気に入ってんだ」 「おにいちゃん…」 その怒りも一瞬で萎んでしまった。 頭を撫でながらそんなこと言うなんて、ずるいよ。
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