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「違うのよ、蓮ちゃん。今回は、二人にお願いがあったから、兄貴に頼んで鍵を開けてもらったのよ。ま、その後も居座れなんて一言も言ってはいないけど」
すべての元凶はあんたか!?
「…まあ良い。で、そのお願いってのは何だい?」
「引き受けてくれるのね!?」
「内容次第だけどな」
ソッポを向いてこんなこと言ってるおにいちゃんだけど、ツクモお姉ちゃんに頼まれたら大概のことはしてしまうからなぁ…。
何だかんだ言って、今まで育て上げて貰った恩があるから逆らえないとかなんとか…。
「そうねえ、ちょっと子守りを頼みたいのだけれど…」
「俺は凶暴な幼女一匹で手一杯だぞ?」
「誰が“凶暴な幼女”よ!?しかも“一匹”って…」
「大丈夫よ、鈴ちゃんと違って全然手が掛からない娘だから」
「ツクモお姉ちゃんまで!?」
なんだなんだ、どうして二人してそんなにりんの悪口ばっかり…
「手が掛からないなら、ツクモ姉が面倒見れば良いだろ?俺は、無駄に手が掛かって、すぐブチギレて、横暴で、血の気が多くて、それでも大切な妹との二人暮らしが気に入ってんだ」
「おにいちゃん…」
その怒りも一瞬で萎んでしまった。
頭を撫でながらそんなこと言うなんて、ずるいよ。
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