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「…蓮お兄様、朝です。起きる時間です」
「うーん、もうちょい寝かせろよ、鈴…」
「わたしは鈴お姉様ではありません。良いから早く起きてください」
「……あれ、ウィンダ?」
目を開くと、銀髪灼眼の美少女…もといウィンダが立っていた。
「鈴お姉様も既に起きておられます」
「あ、ああ…」
「朝食の準備も整いました。なるべくお早くして下さいませんと、冷めてしまいます」
「わかった。ありがとうな」
なんでウィンダがこんな敬意MAXな話し方をしているのかと言うと…
「いえ、居候の身ですから、当然のことです」
とのことらしい。
断じて、“お兄様”と呼ばれたいとか、そう言う趣味があるからとかではない。
ウィンダが部屋を出ていったのを確認してから、つけっぱなしだったカラーコンタクトを外す。
新たに同居人が増え、こんな風に起こしに来る可能性も考えて外さずに寝たのだ。
コンタクトをつけっぱなしで寝ると目を傷付けるから良くないらしいが、自己修復能力がある俺には関係無い。
「それにしても、昨日は大変だったよな…」
着替えながら、昨日あったことを反芻する。
実は、あれからもう一悶着あったのだ。
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