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「ウィンダ・ブリーズと申します。その、んと、はぅぅ…」
一目見て、これは引き受けなくてはならないと思った。
俺は今まで常にカラーコンタクトで瞳の色を隠してきたから、紅家に来てからは被害を受けたことはない。
それでも、目が赤いだけでどれだけの迫害を受けるかは知っている。
俺もかつては…いや、今となってはどうでもいいか。
とにかく、同じ灼眼の持ち主として、この娘だけは護ってやりたい。
一応鈴の了解をとった上で、引き受けることにした。
「蓮ちゃんがそう言ってくれて助かったわ。鈴ちゃんもいることだし、万が一誰かに襲われても安心ね」
「あ、それじゃあイサゴお兄ちゃんの話ってホントだったんだ」
「はい。急いで逃げていたら、前方からあの方が駆けてきて…無我夢中であの方の胸に飛び込んだら、ここまで連れてきて下さいました」
「役得役得って言いながらウチに駆け込んできたよ。まったく…」
「それではこれからよろしくお願いしますね?えっと…」
なんだろう、今の話に違和感が…
「ほら、おにいちゃん。自己紹介しないと、ウィンダちゃんが困ってるよ?」
「ああ、悪い」
そうだな、自己紹介自己紹介…。
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