2―3,二人目の妹

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「あー!おにいちゃん、やっと起きたんだー!!」 居間に着くと、すでに鈴は自分の席で目玉焼きにかぶりついていた。 成る程、美味しそうな匂いの正体はこれか。 「実は、鈴お姉様もついさっき起きてきたところですけどね」 「こらー!ウィンダったら、それは言わない約束だったじゃんかー」 「ごめんなさいね?フフッ…」 それにしても、いつの間にか仲良くなってるなー。 まるで本当の姉妹みたいだ。 「今日の朝ごはん作るの、りんも手伝ったんだよ!ウィンダってほんとーにお料理上手なんだ♪」 「鈴お姉様ったら…褒めても何もありませんよ?」 …ウィンダが姉で鈴が妹って感じだがな。 ウィンダは年齢(恐らく10歳)からは考えられないくらいしっかりしているし、礼儀作法は俺なんかよりも詳しい。 昨日ウィンダ本人から聞いた話だと、それも当然かも知れない。 なんでも、ウィンダは有名な奴隷商の御息女なのだとか。 ただ、アルビノである為(というか瞳が赤い為)に表には出されず、奴隷として高く売り捌く為に様々なことを叩き込まれたらしい。 もっとも、何をやっても他の商品(嫌な言い方だが仕方がない)より出来が良かったにも関わらず、やはりその瞳のせいで売れ残ってしまい、虐待を受ける日々。 そんな生活に嫌気が差し、脱走を試みたら追っ手が出てきて…ということだったのだそうな。 そりゃあしっかりしているに決まってるよな。
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