bar風見鶏

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カクテルを作っていくのはこの店のバーテンダーで僕の雇い主でもあるリョウさんだ。 リョウさんはカウンターに立ってお客さんと話をしながらも手際よくグラスを拭いていく。 僕も美味しいカクテルを早く出せるようになりたいな。 「おい、ジンがなくなるぞ。ボーッとしてないで出してこい。」 そんなことを考えているとリョウさんに注意を受ける。 僕「はい。すみません。」 リョウ「そんなんじゃまだカウンターに立たせられないぞ。」 リョウさんは左唇の端を少し上げてニヤっと笑う。 「マスターは厳しいな。頑張れよ」 やりとりを見ていた常連のお客さんからも笑われてしまう。
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