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「私もそんなに羽振りが良い訳じゃあないが、今日は楽しく飲んでくれ!」
そう切り出した山田は続けた。
「部長に昇進して5年になるか、会社に入りたての頃の初心を忘れていたようだ。皆それぞれにたいへんなことを抱えながら様々な困難にたちむかいながら、しごとをしているのにな。いつの間にか、自分だけ大変だと思ってしまっていた。
むしろ皆の方がたいへんだったろうに。
申し訳なかったな、当たってしまったこともある。怒鳴り付けたこともだ。
だが実際、効率は良くとも昔からの方法がいい場合もある。これからは仕事に関してもしっかりと双方の意見を交わした上で、一番良い策を練りながら皆でやっていこう。何が良いのかどう修正していったらよいのかもな。
護!私は、君みたいに期待され、頼りにされる存在だったんだぞ!これでもな。最近ホントにすまなかったな。これからも新しい風を吹かしてくれ!」
「よし乾杯だ!かんぱーい」
護も初めは微妙な表情だったが、部長の自然体な様子に護もかんずるところがあり、部長の立場になった時に自分だったらどうなるのか、考えていた。
「部長は反面教師。これからの自分達が部長のようぬらぬよう、今恥をさらけ出して俺達に話してくれたんだ。俺達もかわらねば。」
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