第2章

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「買い物へ行ったら、美味しそうな果物 沢山買えたんだけど、これから持って行っていい?」 「あら、いいの?来るの大変じゃない? 嬉しいけれど。」 「くてつい買っちゃったけど、食べ切れなそうだし、腐らせたら勿体無い!せれにほら最近何処か新しく、面白そうな雑貨屋さん出来てたでしょ!ちょっと行ってみたいし。ついでにね。」 「じゃあ待ってるねー!」 独り立ちしている子供と母との会話。 娘は、両親に喜んで貰いたかった。 ただそれだけ。 母は、何も持たなくても娘が実家へ 来ることがただ嬉しかった。 親子は娘の持って来た果物を冷やし、 「この間こんな人がいてね。」 「そういえば、~さんどうしてる?」 等とたわいもない会話をし、 一緒に果物を食べる。 「おいしいねー。ありがとね。」 「うまいな、これ。どこで買った?」 「喜んでもらえてよかったぁー。」 ほんのりと皆が温かく優しい気持ちになる。 娘は帰りの電車の中でもほっこりとした気持ちでいた。そして電車を降りるとそのまま駅ビルをふらっと見ながら、いつものように家に向かった。 すると、駅ビルの三周年記念イベントの真っ最中だった。タイムサービスで、ちょうど先着200名のくじ引きをしている。何の気なしに並んだらギリギリくじ引きをひけることになった。 「おめでとうございます!3等です!」 一等でこそないが、娘は前々から気になっていたグラスを当てた。かわいらしくて欲しいと思ったが、買うには値段的にもそして実用的にも使うかと言うとどうだろうと買うのを見送って来たグラスだ。 娘は喜んで家に持ち帰り、何かはわからないが幸せな時が過ごせた今日一日に感謝していた。
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