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「あ、ありがと。でもわるい、今いらないから飲んじゃって。」
護は言った。
冴子はじっと護を見つめながら、
「そっか、私も飲んだばかりだから、そしたら後ででも飲んでやって!」
と言うと護のデスクに置いて立ち去ろうとした。
「わりぃ。ほんといらね。」
ぼそっと護がいい放つ。
「ごめん、押し売りしちゃって。」
冴子は缶ジュースを手に自分のデスクへと戻って行った。
護は心の中で冴子に申し訳なく思いながらもそんな態度を取ることしか出来なかった。日々のストレスで優しい彼の心も荒み初めていたのだ。冴子の気持ちをありがたく感じたが、他人に優しく接する程の心の余裕がなく、冴子にも当たってしまった。護自身もよくわかっていた。
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