第捌話「土方歳三 対 沖田総司」

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そうだ、琴さんの言う通りだ。 歳はあの時誓ってくれたではないか。 そしてわたしは、その誓いを受けたではないか。 マスターとスレーブの誓約の証、それを約束したではないのか。 「ありがとう、琴さん」 コトノは考え直し、琴に感謝した。 「礼には及ばぬ。 それに、我とコトノハ殿は恋敵であろう? 剣で負けた相手と我は、夫婦になると決めているのだ。 そんなコトノハ殿が迷っているようなら、我が土方殿を貰うがよろしいか?」 「だ、駄目です!」 「その意気だよ」 琴が笑ったので、コトノも可笑しくなった。 信長の言葉で揺れている歳三に、余計な気遣いをさせてしまった。 でも、ユウの裸を見た罰で、今夜は部屋に帰らないことにしたコトノだった。 次の朝── コトノが部屋に戻ると、歳三が部屋の前で刀を抱えて眠っていた。 コトノの気配で起きた歳三は、コトノを見て安堵の溜息をついたが、 「お前は何処ほっつき歩いていたんだ!」 歳三にしては珍しく、顔を赤くして怒っている。 「琴さんの所」 「なっ」 「女同士で語り合ってました」 「なにっ」 「そちらこそ、お楽しみじゃなかったの?」
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