第捌話「土方歳三 対 沖田総司」

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「なんだとっ」 「冗談です。徹夜の見張りご苦労様でした。 でもマスターは、綺麗なお姉さんの所に居たけどね」 「いい根性してるじゃねえか」 そう言って歳三は、コトノの頭をくしゃくしゃと撫でた。 その微笑ましい光景を、廊下の隅で沖田総司がじっと見ていた。 「ちょっと用意してから行くから、歳は先に朝食に行って」 「わかった」 歳三が廊下を歩いて行くのを見届けたコトノは、部屋に入ろうとして沖田総司が廊下の隅に居るのに気が付いた。 「沖田……さん」 声を掛けるが、総司は返事をせずコトノをじっと見ている。 「どうしたんですか?」 「コトノさんは……土方さんのマスターですよね?」 やっと総司が口を開く。 「だからって、土方さんを歳と呼び捨てにするなんて……。 それが許されるのは近藤先生だけだったのに!?」 「あの……沖田さん」 「土方さんはこの時代に来て腑抜けになった! 昔の土方さんなら、あの信長を問答無用で斬っていたよ。 それが出来なければ僕に斬れと命令していたさ! それもこれも貴女、コトノさんが悪いんだ!」
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