第玖話「決別」

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戦国の覇王・織田信長との約束の日。 その朝── 信長を待つ歳三は、カグヤからある報告を聞いた。 「どうも信長側は、民法テレビ各社を独占して明日極秘の放送をするらしいの」 「テレビを使って信長は、何かを全国に観せようとしているのか?」 「その何かはまだ判明しないけど、放送関係者の内部情報だから間違いないわ」 カグヤが不審げな表情で説明した。 「カグヤ、信長のマスターあるいは黒幕は誰か判ったのかい?」 「信長たちの黒幕は、まだハッキリとは言えないけど、国の中枢に居る者よ。 SDマシーンのメーカー株のインサイダー取引の噂といい、元々SDが軍事利用で開発されていた内幕。 確証が無いから断定できないけど、ほぼ間違いないわ。 信長の黒幕は大物政治家の──」 カグヤがその名前を言い掛けた時に、大御所の広い庭園の道路に黒い大型車が2台が静かに走って来た。 2台の黒い大型車は、歳三・総司・琴・コトノ・ユウ・カグヤ、それに大御所と黒服たちの護衛の前に、滑るように乗り付けてくる。
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