第玖話「決別」

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そのシステムに絡め取られて、年長者は若者を卑下し、若者は夢も持たずその日を暮らし満足しておるわ。 そんな国としての価値の無い日本を、わしが支配して其の後に、この国をエサにして中国含むアジアを戦火に巻き込むのだ。 その戦火に米国を、ヨーロッパ連合を巻き込み、世界を戦の業火で浄めようぞ!」 「戦の業火だと!?」 「破壊と再生、世界はこの信長・第六天の魔王によって、混沌から新しい秩序を創るのが運命ぞ!」 爛々と光芒する眼で歳三を睨め付け、覇王・信長が魔王のように嗤った。 魔王のように嗤う信長に哀れみの眼差しで歳三が、 「違った違ったよ」 「貴様、なにをほざくか!?」 「俺は『自分は、信長の生まれ変わりだろう』と言ったことがあったが、違ったよ」 「……。」 「信長、お前は間違っているよ!」 「たわけが」信長が吐き捨てる。 「俺たち過去の人間が、現在の歴史を変えるのは間違っている。 俺たちはその時代を精一杯生きて、そして未来へと希望を託し、そして死んで逝く。
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