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「ちぃ」
十兵衛が呻く。
典太の突きが総司の抜き打ちで逸らされ、ユウの心臓を狙ったのが僅かに上の胸を貫いたからだ。
「十兵衛ぇ、貴様ぁ!」
総司が怒りを露わにして、十兵衛に袈裟斬りを見舞うがー
十兵衛が刀を引き抜き、刀圏から後方へ飛び退いた。
「総司ぃ……」
ユウが総司を見て声を漏らすが、その可憐な口から〈ごほっ〉と血を吐いた。
呻いて〈ぐらり〉と、ユウのその身体が地に倒れた。
十兵衛に貫かれた胸からは、血がどくどくと流れて体外に抜けていく。
「十兵衛ぇ!」
後方へ退いた十兵衛を追撃しようとした総司だが、
「ぐはっ」
総司が口を押さえた。
「!?」
総司が不審げに、口を押さえた掌を見た。
その指の間から鮮血が溢れて、糸を引いた朱い雫となって地に流れた。
マスターであるユウが傷付いたので、スレーブである総司も吐血したのだ。
吐血した総司を見て歳三が叫んだ。
「総司ぃ!」
歳三が総司とユウに駆け寄ろうとするがー
その隙にヴラドが大剣を掲げて、琴のマスターであるカグヤを襲った。
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